思い出の旧1号館
水彩画でよみがえる、旧1号館の風景
ホームページのこれまでの表紙を飾った旧1号館の風景をご覧ください。
これらのなかから選んだ絵をもとにした絵はがきセット「Memory of Ferris 旧1号館 の思い出」(2種。各5枚組)も同窓会室で販売しております。
(画・文 高柳馨子 1979卒)
光射す 美術室(2007.02)
初めて描いた油絵は、この窓から見た風景だった。他の特別教室に比べ、二方向に窓があり明るく居心地の良い部屋だったように思う。後年物理室に変わり、そのとき見た流しに妙な違和感を覚えた。部活や選択美術、教育実習でもお世話になった思い出多き場所。
光射す 美術室(2007.02)
礼拝堂 ステンドグラス(2006.12)
礼拝堂 ステンドグラス(2006.12)
遠くから見るキリストは面長な印象なのだが、真近で見上げるとまた感じが異なる。
個人的には、より優し気に見え、好きな角度である。入学したての頃、礼拝のお話よりもステンドグラスが珍しく、ガラスの一つ一つを眺めていたのを思い出す。
ナンキンハゼ 色づく(2006.11)
見事なまでに色づく葉。中庭担当の掃除当番は、大変だったに違いない。旧1号館のシンボルツリーだったナンキンハゼは、四季各々に我々の目を楽しませてくれていた。お気に入りの本には、紅葉した一枚が今でも挟んであるが、大切な思い出に繋がる一枚でもある。
ナンキンハゼ 色づく(2006.11)
ギャラリーへの階段(2006.09)
ギャラリーへの階段(2006.09)
J1の頃、ここは格好の遊び場だった。洒落た作りの手摺。微かに聞こえる山手通りを行き交う音。両側に教室が並ぶ二階の廊下は薄暗かったが、たくさんの光が差し込むこの場所へ来ると、暖かな気分になるような気がした。
中庭、盛夏(2006.07)
夏の盛りは、噎せ返るような緑で圧倒される。
池に映る空と入道雲が一層暑さを感じさせ、夏本番を思わせる。通路の照り返しも、木陰によって癒されていた。今にして思えば中庭の緑は、我々を穏やかな気持ちにしてくれていたに違いない。
中庭、盛夏(2006.07)
つつじ咲く頃 正面玄関(2006.05)
つつじ咲く頃 正面玄関(2006.05)
山手通りから見る校舎はどっしりとした構えで、伝統を感じさせた。両脇に聳えるヒマラヤスギが象徴的だが、春にはツツジの大きな植え込みがその存在感を増し、道行く人々の目を楽しませてくれる。山手散策の観光客も足を止める、まさに”絵になる場所”である。
冬の教室(その2)(2006.02)
時折カンカンと音をたてるスチーム。
冬の午前中は、色とりどりの布で包まれた弁当箱がズラリと並んでいた。中身が推測出来る匂いがしてくると、お昼が待ち遠しかった。今では決して見る事の出来ない、冬の風物詩。
冬の教室(その2)(2006.02)
12月のカイパー講堂(2005.12)
12月のカイパー講堂(2005.12)
「ミッションスクールに学んでいる」と一番強く感じるのが、この時期である。
街中のそれとは違い、厳かな雰囲気の中、週毎に蝋燭が増えていったのを憶えている。ハレルヤコーラスを始めとした全校での合唱は気持ち良く、今でも友と懐かしく語り合う。
ツタの葉、色づく(2005.10)
子どもの頃、落葉樹はあまり好きではなかった。冬の寂しさが一層増すような気がしたからだ。だが秋を華麗に演出する葉に「四季のある国に生まれて良かった」と、今では感じる。大人になって分かる良さが、まだまだたくさんあるように思う。
ツタの葉、色づく(2005.10)
旧1号館二階より 中庭の池を臨む(2005.09)
旧1号館二階より 中庭の池を臨む(2005.09)
こんなふうに池が臨める事に、在学中気がつかなかった。見慣れた景色も見る場所でこうも印象が変わるものか。木々が逆光となり、水面が一層明るく光る。叶うならば、もう一度見たいと思う風景の一つである。