思い出の旧1号館
水彩画でよみがえる、旧1号館の風景
ホームページのこれまでの表紙を飾った旧1号館の風景をご覧ください。
これらのなかから選んだ絵をもとにした絵はがきセット「Memory of Ferris 旧1号館 の思い出」(2種。各5枚組)も同窓会室で販売しております。
(画・文 高柳馨子 1979卒)
紫陽花の咲く頃(2005.06)
在学中あまり通ることのなかった場所の一つが、カイパー講堂横のこの道である。
正門からの来校者は、車の行き交う山手通りの音を背に、ひっそりとしたこの通路をぬけ、中庭と紫陽花に迎えられる。
紫陽花の咲く頃(2005.06)
礼拝堂 ステンドグラス(2006.12)
校庭の桜(2005.04)
新年度に欠かせないものの筆頭は、桜だろう。
外国のように「9月入学を」という声もあるが、残暑厳しき頃に、大汗かいて入学式というのはどうもピンとこない。桜は散り際もまた美しく、楽しませてくれる。毎年の事ながら、感慨深いものがある。
中庭の杏の木(2005.03)
残念ながら、当時のこの木の記憶は全く無い。
なんと風情のない、ぼんやりした生徒だった事か・・・。生物室前で昼食を取っていた同級生達には、恐らく馴染みの木だったろう。”雑木”と文字にするといまひとつだが、様々な樹木に囲まれ恵まれた中庭だったと思う。
中庭の杏の木(2005.03)
冬の日、午後の教室(2005.01)
冬の日、午後の教室(2005.01)
夏には厄介な西日も、寒い時期には有り難い。
落葉した木々の間から暖かく差し込んでくれる午後の光は、昼食後の眠気を誘う。
友と過ごした穏やかに流れる時間が、懐かしく思い起こされる。
作り付けの机と椅子(2004.10)
フェリスで最初に”異国”を感じたのが、これである。インク壺とペン置きの溝が刻まれた斜めの机に、跳ね上げ式の椅子。
支える金属の脚もどこか洒落ていて、外国映画でしか見ることのなかったであろう私には、強く印象に残っている。
作り付けの机と椅子(2004.10)
つつじ咲く頃 正面玄関(2006.05)
回転式の教室の窓(2004.08)
長棒で引っ張って開ける窓。勿論、フェリスに入って初めてお目にかかる代物だった。
回転する様が面白く、新鮮だった。冷暖房完備の今ではあまり有り難味を感じないかもしれないが、雨の日も降り込まず空気の入れ替えが出来た優れものである。
山手本通りから 正面玄関とヒマラヤ杉(2004.06)
その昔、山手通りはヒマラヤスギ通りとも呼ばれていた。通り沿いに数多く植えられていたからだが、フェリスのそれも一役買っていたわけだ。鉄平石に緑が良く似合う。校舎側は枝を伸ばすことが出来ず窮屈そうに見えるが、天高く聳える姿は見事である。
山手本通りから 正面玄関とヒマラヤ杉(2004.06)
バルコニーから見た風景(2004.05)
バルコニーから見た風景(2004.05)
ベイブリッジも高速道路もなかった頃である。
遠く見える海とマリンタワーが、時折響く汽笛の音と相俟って、「港町横浜」を象徴しているような景色だった。豪華客船が行き交う姿も見られ、今にして思えば、とても贅沢な時間を過ごしていたのだと思う。
礼拝堂前よりバルコニー方向を見る(2004.02)
光と陰は、思い掛けない演出をしてくれる。
薄暗く何気ない廊下なのだが、礼拝堂前辺りに立つとバルコニーからの明りが逆光となり、不思議な雰囲気を醸し出す。Jの教室が並ぶこの廊下は暗いながらも、明るい三階とは異なる賑やかさだったかもしれない。
礼拝堂前よりバルコニー方向を見る(2004.02)
中庭の緑と生徒玄関(2003.11)
中庭の緑と生徒玄関(2003.11)
息を切らして階段を登りきると、中庭の緑と生徒玄関が出迎えてくれる。
鉄平石を纏った重厚な佇まいは、初めて校舎を見た小学生の頃から変わらぬ印象だったように思う。ナンキンハゼを始めとした木々が四季を感じさせ、誰もが好きな場所であった。