第22回カイパーサタデーコンサート

三浦友理枝ピアノリサイタル
Program 第1部
     1.亡き王女のためのパヴァーヌ          ラヴェル
     2.ジムノペディ第1番              サティ
     3.即興曲第15番「エディット・ピアフを讃えて」 プーランク
     4.前奏曲第15番変ニ長調「雨だれ」       ショパン
     5.左手のための2つの小品よりノクターン作品9-2 スクリャービン
     6.前奏曲嬰ハ短調作品3-2「鐘」         ラフマニノフ
      第2部
     1・ベルガマスク組曲「月の光」           ドビュッシー
     2.「映像」第1集、第2集より           ドビュッシー
         「水の反映」「葉ずえを渡る鐘の音」
         「そして月は廃寺に落ちる」「金色の魚」

第22回カイパーサタデーコンサート
プログラム
  • Program Note
    亡き王女のためのパヴァーヌ
    「パヴァーヌ」とは、16世紀ごろヨーロッパで流行った、ゆったりと行列になって踊られる舞踏で、女性が美しい衣装をまとって並んだ様子から「孔雀舞」と呼ばれる
    こともある。具体的にこの王女にモデルがいたわけではないが、パヴァーヌがよく追悼の場面で踊られたこと、フランス語の原題が韻を踏んでおり語調が良かったことなどからこのタイトルがついたといわれている。
  • ジムノペディ第1番
    サティは、「家具の音楽」という斬新なコンセプトで作品を多数生み出した。これはいわゆる現代のBGMに通じるような、「耳を惹きつけるほどではなく、人に寄り添うが邪魔をしない」という、これまでになかった音楽の在り方を提示したものである。
  • 即興曲第15番「エディット・ピアフを讃えて」
    パリに生まれ、パリに没した生粋のパリジャンであるプーランクは、ピアノや管楽器のために多くの洒脱な曲を残した。ピアフとは同時代人で、面識はなかったものの、その偉大な才能に敬意を表し、この曲を書いた。
  • 前奏曲第15番変ニ長調「雨だれ」
    ポーランドの作曲家であり「ピアノの詩人」と呼ばれるショパンは肺結核の療養で毎年訪れていたスペインのマヨルカ島で「24の前奏曲」という大作を書き上げた。
    「雨だれ」と呼ばれ有名な15番は絶え間なく連打されるラ♭の音が、天井を打ち付ける雨音を彷彿とさせる。
  • 左手のための2つの小品よりノクターン作品9-2
    初期にショパンの影響を受けたロマンチックな作品を多数書いたロシアの作曲家スクリャービンによる、珍しい左手のみで演奏する曲。いかに旋律と伴奏を片手のみで
    取り回すか、随所に工夫が施されている。
  • 前奏曲嬰ハ短調作品3-2「鐘」
    ラフマニノフのピアノ曲の中でも最も知られているものの1つであり、「鐘」というニックネームの通り、街に響くロシア正教会の鐘の音がオスティナートバスとして
    鳴り続ける。
  • ベルガマスク組曲より「月の光」
    ドビュッシーのピアノ曲の中でも最も人気のある曲の一つ。印象派の扉を開く以前の初期の作品に属し、ショパンやフォーレの影響が垣間見える。
  • 「映像」第1集、第2集より「水の反映」「葉ずえを渡る鐘の音」「そして月は廃寺に落ちる」「金色の魚」
    ドビュッシーの「映像」は第2集全6曲から成り、いわゆる「印象派」というジャンルに属する作品の中でも傑作集として知られる。絵画的なタイトルから想起する、
    さまざまな情景が、巧みな音遣いによって色彩豊かに表現されている。
プロフィール
三浦友理枝(H12)
07年9月英国王立音楽院・修士課程を首席で修了。01年「第47回マリア・カナルス国際音楽コンクール」ピアノ部門第1位。06年「第15回リーズ国際ピアノコンクール」にて特別賞。国内外の主要オーケストラと多数共演。エイベックス・クラシックよりこれまでに6枚のソロアルバムをリリース。「ショパン:24のプレリュード」、「ミニアチュアーズ」最新盤「ショパン:
バラード&スケルツォ」は「レコード芸術」誌にて特選に選ばれている。第26回新日鉄住金音楽賞受賞。
三浦友理枝さんから終演後のご感想を頂きました。

この度は久しぶりに母校にて演奏する機会を頂きましてありがとうございました。

コロナ禍により2度も延期となり、3度目の正直での今回の開催までには、白菊会の皆様の多大なご尽力があったからこそと存じます。会場全体の熱い思いを感じながらの演奏は、特別な時間となりました。

改めまして心から感謝申し上げます。